歴代首相の指南役と言われた安岡正篤には
名言がたくさんあります。その中で、「人生の五計」
というものがあります。
「人生の五計」とは
生計・身計・家計・老計・死計
の五つのことです。一つずつ説明しておりますので、
抜粋しながら説明いたします。
第一は生計。
われら如何に生くべきか、という生理・養生の問題であります。
どういうものを食べ、どういうものを飲み、どういう習慣をつけるか、という健康を保持・増進する問題であります。
第二に身計。
これは専らどういう仕事をして生きてゆくか、
という職業生活・社会生活の問題。
どのような仕事を行い、生活を成り立たせていくべきか、よく考え計画を立てて人生を生きていくことが大切です。
第三に家計。
一家を構えて、これをどういう風に治めてゆくかという問題です。
この頃は、「家」というよりも「家庭」というとわかりやすいか
と思います。人が集まっても、そこにある一定の秩序がないと混乱してしまい、不幸が生み出されます。やはりどのようにすれば、
家庭内が治まり、皆が幸せを享受できるか、よくよく考えるべきでしょう。
第四に老計。
人は、そのうちにだんだん年をとります。いかに年を取っていくか、よく考えましょう、ということです。
最後は死計です。
いかに死ぬか、ということも考えておかねばなりません、ということです。 死に臨んで、うろたえることなく、わが人生悔いなし、と言いながら、死んでいきたいものです。